音楽鑑賞した際に部屋に入ってきた霊的な存在

昔の自分は音楽を頻繁に聴いている人間でした。
更に語るとその趣味も偏っていたように思います。
自分は外国の不気味な音楽が趣味の一つだったのです。
しかし、そういった音楽を聴くことで恐怖体験するとは思いませんでした。

いつものように私が音楽を聴いていると異様な霊的な雰囲気を感じました。
記憶が正しければピアノ調のスピリチュアルなダークな音楽を流していました。
その音楽は幽玄なムードを持っており、個人的には癒される存在でした。
その異国風の音楽がクライマックスを迎える度、最初に感じた邪悪な気配は強烈になっていました。
しかし、私は音楽鑑賞を止めなかったのです。
昔の自分は音楽を最後まで聞くのが習慣であり、それが大きな過ちになりました。

気付くと音楽はピアノからパイプオルガン、合唱のパートに入っていました。
当時の私はゴシック系の音楽を集めていたので、そういった印象的なメロディが好きだったのです。
しかし、その流麗なメロディに交じって異様な実態が近づいてきたのです。
その日は窓を開けていなかったのですが、得体の知れない存在が空気のように迫ってきました。
私は目を閉じていたのですが、音楽の旋律に紛れ込む異質な感覚を覚えました。
そして、音楽が最高に盛り上がる瞬間、異様な存在が眼前を横切っていったのです。

その空気は氷のような冷たさであり、今でも鮮明に記憶しています。
よく死者を惹きつける音楽があるとは聞きますが、自分がその恐怖を感じたことは忘れないと思います。