金縛りで黒い大きな人影を見てしまった

いまだにその時に体験した事を思い出すとぞっとします。
私が小学6年生の頃、夜中にパッと目が覚めました。
夜中にパッと目が覚めるなんてことは1度も経験した事は無いのですが、その日に限って、夜中にパッと目が覚めてしまったのです。
いつもは絶対に仰向けには寝ません。
それに、部屋の電気を必ず1つは付けて寝ているのですが、その日に限ってその電気が消えていました。
電気を消して寝ると、とっても嫌な気分になります。
ですから、絶対に小さな豆電球を付けて寝るようにしていたのです。
パッと目が開くと、体に違和感を感じます。
まったく首から下が動かないのです。
まるで何かに押さえつけられているかのように固まり、声も出す事ができません。
でも目だけは辺りを見渡せます。
隣の部屋にいるお母さんを呼ぼうと声を上げてはいるのですが、その声がよく出せません。
早く呼ばないと何かよくない事が起きそうだなと思い、「お母さん、お母さん」と呼ぼうとします。
でも、なかなか声が出ず、目を向こうの開いているドアの方へと向けました。
すると、右から左に向かって大きな黒い影が横切ったのです。
もの凄く大きな人影で、お父さんかと思いました。
でも、どう考えても天井近くにまで大きなその影は、父ではないのです。
その人影を見て早くしないと怖いと思い、首が締まるような感じを払いのけて声を張り上げようと努力します。
やっと声が出て、「お母さんっ」と叫んだら金縛りが解け、募集した母親が飛んできました。
本当に嫌な夜でした。